■眼瞼炎にも気を付けたいアトピー性皮膚炎
前項では、アトピー性皮膚炎の人が起す確率が通常の10倍にもなるといわれる円錐角膜について話しました。アトピー性皮膚炎の原因のひとつに、これまで、何度も「バリア機能」の低下を挙げてきましたが、これによる細菌などの体内への侵入はアトピー性皮膚炎との、思わぬ合併症を起こす事もあります。また、アトピーの痒みによって、目の周りを掻いたり、擦ったりする刺激で、目に纏わる合併症を起す事もあります。
◆眼瞼炎
眼瞼炎はまぶたにできる炎症で、まぶたの皮膚に起こる「眼瞼皮膚炎」、まつげの付け根に起こる「眼瞼縁炎」、目尻に起こる「眼角眼瞼炎」の総称。厚い鱗屑や、かさぶた、まぶたの縁にある脂腺の炎症などを伴うこともあります。
症状はアトピー性皮膚炎で見られる、「激しい痒み」や「赤い湿疹」、「かさつき」や、ピリピリとした痛みを感じることもあるようです。
眼瞼炎は、その原因により、「感染性」のものと「非感染性」の2つに分けられますが、アトピー性眼瞼炎では「掻く」「擦る」ことで、炎症部分に黄色ぶどう球菌や単純ヘルペスウイルスが感染し、「化膿性の眼瞼炎」として重症化しやすいので注意が必要です。
治療は「感染性」なら抗生物質による薬物治療、「非感染性」のアレルギーならステロイド外用薬や抗ヒスタミンの内服薬を使用します。
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