■アトピー性皮膚炎とW型アレルギー反応の仕組み
「W型アレルギー反応」は「T型アレルギー反応」のように「IgE抗体」は関与せず、「感作リンパ球」や「ヘルパ―T細胞」によって、起炎物質が放出される所までは、前項の通りです
この「W型アレルギー反応」が「遅延型」といわれるのは、「ランゲルハンス細胞」が抗原(アレルゲン)を察知してから、48時間〜5日後に、先ほどいった起炎物質の影響によって炎症を起こす為です。
「感作リンパ球」は「ランゲルハンス細胞」から受け取った抗原(アレルゲン)情報を、その後、記憶し続けます。新たに、その記憶された抗原が体内に侵入すると、いち早く、「ヘルパ―T細胞」から「リンホカイン(起炎物質)」が放出され、アレルギー反応が起こります。
「W型アレルギー反応」の中で、実際に「リンホカイン(起炎物質)」を放出するのは「ヘルパ―T細胞」で、これは「ヘルパ―T1型細胞」に分類されます。これが、このアレルギー反応の中心といえるのですが、実はアトピー性皮膚炎の場合は、「ヘルパ―T2型細胞」も、その悪化に関わっているのではないかと考えられています。
「ヘルパ―T2型細胞」は、リンパ球やマクロファージといった、免疫担当細胞が産生するサイトカインの1種「インターロイキン(IL−4・IL−5など)」を放出し、抗体を産生するB細胞を介し、「IgE抗体」の産生を誘導、「T型アレルギー反応」を引き起こすのです。
アトピーを悪化させるヘルパーT2型細胞の働き >
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