■感作Tリンパ球のアトピー性皮膚炎は遅い反応
アレルギー反応にはT型〜W型の4タイプがあり、特にアトピー性皮膚炎に関わるものは「T型アレルギー反応」「W型アレルギー反応」、そして、前項では、即時型の「T型アレルギー反応」について、説明しました。
では、もうひとつもアレルギー反応である、「W型アレルギー反応」は、一体、どのようなプロセスでアトピーに影響するのでしょうか。
W型は「遅延型のアレルギー反応」ともいわれ、主に感作Tリンパ球と言われる特殊なリンパ球の関与によって、引き起こされます。T〜V型のアレルギー反応は「IgE抗体」との関係による反応でしたが、W型に限っては、「IgE抗体」ではなく「リンパ球」による反応である所が特徴といえます。
アレルギーを起こすプロセスですが、まず、ダニやホコリに代表されるような抗原(アレルゲン)が、皮膚表面から侵入すると、体内の組織球の一種で免疫に深い関係がある「ランゲルハンス」といわれる細胞が、この情報をいち早く察知します。
ランゲルハンス細胞は、この情報を真皮内の「感作Tリンパ球」に送り、「感作Tリンパ球」では、その情報を受けた「ヘルパ―T細胞」が起炎性物質である様々な「リンホカイン」を放出します。
感作Tリンパ球が関与する「W型アレルギー反応」では、しかし、この時点ではT型のような素早い反応は、まだ、起こりません。
アトピー性皮膚炎とW型アレルギー反応の仕組み >
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