■ほど良いストレスとアトピー性皮膚炎
精神的な「イライラ」が皮膚を敏感にして、痒みを起こさせる仕組みを、前項では血圧の変化や体温上昇を手がかりに説明しました。
「ストレスは万病の元」とも言われ、基本的には、ないに越した事はないようです。
ここで、「基本的には」と含みを持たせた言い方をしたのには理由があって、ここまでは「ストレス=悪いもの」といったアプローチで話を進めてきましたが、実は「良いストレス」というものもあるようなのです。
もちろん、「過度のストレス」は明らかに良くないものなのですが、「ほど良いストレス」が痒みを意識する気持ちを抑制する作用を持っていて、この「ほど良いストレス」下では、痒みが気にならなくなる、といったケースも多いようです。
「ほど良いストレス」とは、心地よい緊張感の中で集中力が高まっている状態でしょう。「ほど良いストレス」の中では、「仕事の作業効率があがり、また、積極性も生まれる」といった研究もあるくらいですから、「ストレス」が全て悪い、とは言い切れないと理解しておいた方が良いかもしれません。
この「ほど良いストレス」の話は、日々、緊張感を持って暮らせば、生活に張りも出て、それが、結果的に「悪いストレス」を溜めない状況、「良い循環」が生まれる、と解釈する事もできます。何かひとつ趣味のようなものを持って集中してみるものいいかもしれません。アトピー性皮膚炎の痒みに繋がる「悪いストレス」を溜めない工夫を、それぞれに考えてみましょう。
「良くなる」事とアトピー性皮膚炎の完治について >
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