■皮脂膜の薄さがアトピー性皮膚炎の切っかけに
「皮膚のバリア機能」に関わる「角層」は、前項で説明した「角質細胞間物質」や「角質細胞」などから構成されていますが、その表面は汗腺から出る汗と、毛穴の中の「皮脂腺」から分泌された皮脂が混ざり合い、膜を作っています。これは、「皮脂膜」と言われますが、この中の「皮脂」は中性脂肪やコレステロール、スクワレン、リン酸といったものを含みます。
「皮脂膜」は「エモリエント効果」といわれる、皮膚にうるおいを与えたり、柔軟性・滑らかさを与えたりし、この皮膚状態を長く保つ働きがあります。肌の表面を保護し、角質中の水分蒸発を防いでいるのです。
また、肌荒れの原因となる角層の剥離を防ぎ、外的な刺激の緩和と、「アレルゲン」となる「異物」の侵入防止にも役立つと言われています。
しかし、アトピー性皮膚炎を発症してしまう人は、「皮脂腺」からの「皮脂」分泌が少なく、結果的に「皮脂膜」薄くなってしまう傾向にあるようです。
「皮脂膜」が薄くなる事でのデメリットは「保湿機能」の低下による「肌の乾燥」、それが原因で起こる「肌の痒み」はアトピーには大きなマイナスになります。
角層の剥離が続けば、「異物」に対する皮膚の防御機能は、著しく低下し、それ程、「アレルギー反応」の強くない人でも、アトピー発症の切っかけになる事もあります。
アトピーの痒みはバリア機能低下が一因 >
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