■セラミド不足がアトピー性皮膚炎を招く事も
皮膚は3層構造をしていて、「敏感肌」に関係の深い、「皮膚のバリア機能」を担うのは、主に「角層」である、といった所までは前項で説明した通りです。
「角層」の厚さは約0.02ミリ程と言いましたが、実は身体の部位によってバラつきがあり、身体のほとんどは「角質細胞」が14〜15層くらいなのですが、手のひらなどは50層、足の裏は70〜80層、カカトは100層などと違いがあります。
これらの「角質細胞」同士の間を埋めているのが「角質細胞間物質」というリン脂質で、主要成分は、その50%程を占める「セラミド」という物質です。
「セラミド」は保湿機能、外的な刺激や細菌の侵入を防ぐ働きのある脂質で、うすおいのある肌を保つには欠かせない物質と言われています。
アトピー性皮膚炎を起こす人は、この「セラミド」が不足している傾向が、最近の研究で指摘されています。アトピー時の肌のカサつきは、その為に起こるようで、肌の水分保湿の機能は低く、すぐに乾燥してしまう訳です。乾燥した肌は外的刺激に弱く、「アレルゲン」となる「異物」の侵入を容易に許してしまいます。
「セラミド」などの「角質細胞間物質」が不足すると、「角層」の配置は乱れやすく、皮膚にデコボコが出来、これが、「カサつき」になるのですが、こうなると皮膚表面には汚れも残りやすく、「異物」が尚更、侵入しやすい環境が出来上がってしまうのです。
皮脂膜の薄さがアトピー性皮膚炎の切っかけに >
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