■付き合い方でアトピー性皮膚炎をハンデにしない
どんな病気でも治療による「完治」が最終目的な訳ですが、体質の問題などが複雑に絡む「アトピー性皮膚炎」、特に「大人アトピー」の場合、治療で目標にするべきなのは、「完治」ではなく、「症状が落ち着いていて、日々の生活に支障がない」状態、その為にも、前向きな治療を行いましょう、といった旨の話を前項ではしました。
体質的にアトピーを起こしてしまう人も、薬によって、炎症を抑えるのは、それほど、難しい事ではありません。
多少の手間がかかっても、良い皮膚の状態がキープされていて、生活に支障がでなければ、それでいい、と前向きに考える事は、何も、アトピー患者に限って大切な事ではなく、例えば、視力の弱い人は、多少、手間ですが、毎日、眼鏡やコンタクトレンズを身に付ける事で視力を矯正していますし、ある食品に対して、湿疹が出来てしまう人は、それを避けるような食品選びに気を配り、それでも、出来る限り充実した食生活が送れるよう工夫しながら暮らす訳です。
視力も、食品による湿疹も「完治」する可能性は低くても、それと上手に付き合っていて、生活の中で「ハンデにならなければいい」といったスタンスで共通しているように思うのです。
アトピー性皮膚炎にも同じ事がいえるのではないでしょうか。「自分は大変な病気になってしまった」と悲観せず、「症状が安定するように気を付けよう」という気持ちで対処し、自分を追い詰めない事が大切ではないかと思います。
アトピー性皮膚炎は漫然と薬を使用しない >
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